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ビジョン・育成テーマ

枠にとらわれず変化に対応|全社横断的に活躍する人材へ


新里酒造 株式会社
https://shinzato-shuzo.co.jp/

代表者 :新里 建二
所在地 :沖縄市古謝3丁目22番8号
業種  :製造業
従業員数:33 人

会社概要:
 業歴177年、1846年琉球王国時代の首里三箇で創業した酒造所で沖縄最古の事業所。伝統の技と精神を受けついだ泡盛づくりを営んでいる。
 その泡盛の醸造技術を生かしながら、海外で需要が高まるウイスキーに着目し、新規事業としてウイスキーの製造販売を2020年より開始。


目標/TARGET

ニーズに応える質のいい沖縄ウイスキーのために

 一年目の研修では、国内有数のクラフトウイスキーメーカーの視察をしたことで、製造技術が格段に上がりました。透過作業、ろ過作業、発酵、蒸留と製造技術はアップしたのですが、今度は、ウイスキーの熟成に必要な樽が購入できないという新たなハードルが発生しました。

 ウイスキー事業を始めて、三年目です。新規事業のため、試行錯誤で確立した技術が正しいかどうか技術的な部分を学ぶ必要がありました。さらに高品質なウイスキー作りに向けて、世界的なウイスキー市場の拡大により、新樽の入手が困難な現状を克服するため樽の再生技術習得を目指しました。

 また、台湾への出荷量が増加傾向にあります。現地市場のマーケティングを行い、国内外での販路開拓や展開ができる「販売」の力も強化します。

研修/CHALLENGE

新規事業「沖縄ウイスキー」の製造及び販路拡大に向けた人材づくり

 現在は、シングルモルトウイスキー商品化の前段として、輸入したウイスキー原酒を樽で追熟したものに泡盛の13年古酒をブレンドしウイスキーとして発売しています。これまで、新樽を購入していたのですが、価格高騰により入手が難しくなりました。

 樽は一度使うと樽の持つエキスが出てしまうので、再利用するには内側を焼き直す必要があります。製造部で1年ぐらい試行錯誤して焼き直しをしましたが、その工程を学ぶ必要がありました。

 世界のコンペティションで入賞している台湾ウイスキー、カバランの蒸留所や樽を再生する機械を製造している企業で、樽の焼き直しの工程を視察して焼き直しの技術を研修しました。

 また、台湾の酒類を扱う貿易会社や卸・販売元で、マーケティング研修を同時に行いました。泡盛、リキュール、ウイスキー、それぞれの趣向や文化の違いなど、生の情報を得ることができました。

主な研修内容

  • 再生樽を使用したウイスキー製造のノウハウ研修
  • 樽を再生する機械を製造している企業においてと樽の再生技術研修
  • 台湾市場のマーケティング研修

成果/ACHIEVEMENT

全員参加で製造量アップ|部署間の協働で情報発信

 現地で樽を焼いている現場を見て、焼きや削り具合を学ぶことができました。そのノウハウを生かしながら、製造に取り組んでいます。

 ウイスキー製造は2名でしたが、泡盛の部署と合わせて6名が流動的に動く体制ができ、全員が泡盛とウイスキーが作れるようにしています。生産量を増やすために、製造現場で情報を共有して全員が製造できる体制を整えられたのは、強みです。 

 マーケティングでは、台湾の人の習慣を踏まえた提案が必要なことがわかり、販売ツールが少ない点が課題として新たに見えてきました。営業と製造の部署が協力してSNSや動画についても、社内でアイディアを募っているところです。

 動画を台湾に送るとテロップを入れてユーチューブで配信してくれるところまで、研修で提案してもらえましたので、そのパイプを活用しながら次の展開に進んで行きたいと思っています。

沖縄ウイスキーの先駆者として社員全員でプロモーション

経営者コメント

 マーケティングの研修に営業と製造の現場が一緒に参加したことで、売る側と作る側の距離が変わりました。実際に、作る現場からプロモーションにつなげる提案も出ています。それが、消費者との信頼関係を図り、新里酒造の知名度を上げ販路拡大につながると思っています。

 シングルモルトウイスキー、沖縄ウイスキーが年内には、市場にでます。これも、研修の大きな成果です。

代表取締役 新里 建二 氏

専門家コメント

株式会社沖縄国際流通 代表取締役 宮城 勝也 氏

 今回の研修で台湾の商習慣やお客様(消費者)のニーズを肌で感じる事が出来たと思います。この経験をマーケティングや新里ブランドの海外での認知度向上に活用して頂ければと思います。

 製造に関しても人手不足が深刻な中、機械で行える事、人の手ではなくてはならない事、上手くバランスを取りながら行い、現状に満足する事なく、飽くなき探求心を持ってお酒造りに励まれる事を期待します。