r6 case4 【令和6年度実施】株式会社ラピラス

ビジョン・育成テーマ

• 社会に変革をもたらす質の高いサービスの提供ができる力強い人材を育成する
• 多様性を受け入れ、新しいアイディアや視点を生み出す、次世代リーダーを育成する

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課題

経営力強化 ～福祉業界における報酬改定への対応と人材育成戦略～

福祉業界においては、医療や介護業界と同様、国の報酬制度に基づいて運営されています。このため、定期的な報酬改定は、事業運営に大きな影響を与える重要な出来事となっています。2024年度の改定では、基本報酬の減額だけでなく、サービスの質に対する評価基準がより厳しく設定されました。

福祉業界は長らく、「人とのつながり」や「奉仕の心」を重んじる文化が根強く存在してきました。しかし、最近の改定は、高品質なサービスを継続的に提供するために、経営基盤の強化と安定した運営が必要不可欠であるという厳しい現実を突き付けています。

選ばれる事業所として認識されるためには、従来の福祉の価値観に加えて、「経営力」の向上が求められます。この新たな課題に直面した際、私たちはリデプロの「稼ぐ力」を強化する人材育成事業に出会いました。これが、私たちが直面する課題を乗り越えるための唯一の策であり、挑戦を決意するに至った経緯です。

このプログラムは、経営に苦悩する社長たちにとって、必要なスキルと実践的な知識を身につける絶好の機会です。「これしかない！」「挑戦するしかない！」との確信を持って、私たちは参加を決めました。

研修

マネジメントとマーケティングを学ぶ ～未来志向の研修と視察～

研修プログラムでは、管理職としての基本をしっかりと固めると共に、従来の「支援」中心の意識から「運営力」へのシフトに重点を置きました。地域のニーズや市場の動向を徹底的に分析し、異業種である物販のマーケティング手法を取り入れて運営の基盤を確立しました。

自己分析と職員からのフィードバックを活用して、自身の管理職としての強みと課題を深く掘り下げ、自己理解を深めました。自社の強みと地域のニーズを的確に把握したことで、地域社会から選ばれる事業所になるための客観的な視点を獲得しました。

また、これまで手を付けていなかった数値管理に取り組み、月例報告会での売上や契約率、欠席率などのデータを分析・共有することで、効果的な PDCA サイクルの運用が可能となりました。完全ではありませんが、今後も月例報告会を通じて数値管理を強化していくことが重要です。

さらに、経営者研修の一環として、「福祉のワンストップサービス」を提供する県外の先進的な施設を視察しました。理想とする福祉の形を直接見ることで、「沖縄の福祉をさらに向上させたい」という意欲が一層強まり、この視察は私たちにとって非常に価値ある学びの機会となりました。

成果

変革の先に、地域を支える強い事業所を

半年の研修を経て、最も顕著な成果は、管理職の数字に対する意識改革です。「子どもたちを数字で捉えたくない」という葛藤を抱えながら研修に臨んだ職員もいました。しかし、研修を通じて、「稼ぐ力」と「数字意識」は、事業運営と不可分であり、それが「子どもたちの支援＝療育の質の向上＝地域に根差した事業所」へと繋がることを、深く理解したのだと確信しています。

この意識の変化は、目に見える成果として現れています。月々の売上向上、子どもたちの欠席率の減少、そして契約率の向上。これらの数値は、単なる数字ではなく、私たちの事業が地域社会に貢献している確かな証です。

「奉仕の心」と「稼ぐ力」の両輪を回せる管理職を育成し、地域に不可欠な存在となる。それが、私たちの目指す未来です。これからも学び続け、地域社会と共に成長していきたいと思います。

経営者展望

専門性と運営力の両輪で自走し、多様性を認め合える未来へ

専門家コメント

株式会社船井総合研究所　溝部 昌寛 氏

研修を通じ、売上と利益の大切さを共に学んで行く中で、改めて売上＝質×認知×効率×能率ということを理解いただきました。組織の結節点である役割を考え、組織の成長を支える視点を養い、自社の強みを再確認し事業の発展に繫がる戦略を探求しています。

研修が進むにつれ、自信に満ちていく皆様の表情がとても印象的でした。この研修が、皆様と組織の未来を切り拓く力となることを心から願っています。