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ビジョン・育成テーマ

パラダイムシフトに対応|柔軟で強い組織に


琉球ブリッジ株式会社
https://www.rky.jp/

代表者 :谷中田 洋樹
所在地 :浦添市牧港2丁目43番16号
業種  :卸売・小売業
従業員数:6人

会社概要:
 2005年の創業以来、アスベスト除去関連資材や機能性シートなどを中心とした多様な建設資材や県内飲料メーカーのノベルティーグッズなど幅広い商品を企画、販売している。
 海外の工場と連携し、独自のワークフローで企画・製造・販売・商品搬送を行うファブレス企業。


目標/TARGET

トップダウンを全員経営へ|予測不可能な未来に備える

 新ヤードの完成などハード面を整えてきましたが、労働・環境の改善や生産性の向上のためには、さらに3つの課題がありました。マーケティングスキルの基礎から実践への取り組み、適正な評価軸をもちいた人事評価制度の確立、貿易の基礎知識の充実。

 こうした経営課題の解決に向けて「全員経営」を目標としました。社員全員が主体的かつ効果的に行動できるようにするため、個々のビジネススキル及び集団としての意識を継続的に高めています。

 そして「常に学習し、変化に柔軟に対応できる組織」を目指し、マーケティングを主としたビジネススキルの習得と貿易に関連する知識の強化を図り、VUCA(将来の予測が不可能な状態)の時代に対応できる組織を目指します。

研修/CHALLENGE

事業展開における営業力強化と人事評価制度の構築

 コロナ禍を機とするパラダイムシフトへの対応は成長へのカギです。それに向けた「全員経営」のためには、社員全員の考えが一致する必要がありました。

 昨年度策定した新サービスの事業計画を実行するため、営業・販促スキルの習得やフォローアップ研修においてPDCA(Plan→ Do→ Check→ Actionの4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法)を実践しました。その中で、企業カルテの作成と業務の棚卸しをして、業務の効率化を実現しました。

 また、社員のモチベーションアップによる労働生産性の向上を図るため、経営幹部と総務部を対象に人事評価制度の導入に向けた研修を行いました。

そして、営業力強化及び貿易業務全般の流れを把握するため、日本の主要港である、横浜税関で貿易実務の現場と、廃プラ再生原料製造の先進企業の視察研修も行いました。

主な研修内容

  • 営業・販促スキルの習得やフォローアップ研修においてPDCAを実践する研修
  • 経営幹部と総務部を対象に人事評価制度の導入に向けた研修
  • 主要港での貿易実務の現場研修及び廃プラ再生原料製造の先進企業の視察研修

成果/ACHIEVEMENT

業務効率化や売上アップ|社業発展の礎の一助に

多岐に渡る成果を実感しています。「開発」「製造」「物流」「販売」4つの工程に分けて業務を棚卸ししたことで必要なスキルが明確化されました。

 また、「トップダウンから全員経営へ」を合い言葉にしたことで、社員が主体的に動くようになりました。これによって業務効率が改善、残業が減り定時の6時に帰れるようになっています。業務負担が大きく軽減されただけではなく、売上が約20パーセントアップしていることから、生産性の向上を感じます。

そして、貿易業務に不可欠な海外とのやりとりなどを社員に引き継げるようになりました。来年以降はさらにほかの業務も引き継いでいけそうです。業務を効率よく分散することで、新たな事業にトライすることが可能になり、さらなる発展につなげることができると考えています。

変革の時代に対応するために会社も変化しつつあると感じる

経営者コメント

業務の効率化、売上げアップ、新規事業など様々な面で効果が出ています。前年度の研修後に、社員に新規事業を提案するよう宿題を出したところ、5つ事業を立ち上げて、その売上げが全体の5%に達するほどの実績があがっています。

 トップを含めたみんなで意見をぶつけ合える職場が、実現しています。こうした変革の基礎を作ることができたのも、研修の成果だと考えています。

代表取締役 谷中田 洋樹 氏

専門家コメント

琉球経営コンサルティング 代表 築山 大 氏

 人材育成の評価は、従業員スキル向上などだけでなく、生産性向上などの定量面からも測られるべきです。研修2年目は、企業カルテによる担当企業数の平準化や業務棚卸による属人化の解消を通じて業務効率化を中心に行いました。

 結果、従業員数や残業時間を増やさずに、取引先の状況に応じた個別の営業活動や粗利改善などの難易度の高い業務で労働生産性を大幅に改善。今後は、完成した人事評価制度の運用と併せて自走化を目指します。