ビジョン・育成テーマ
沖縄県内の保険代理店M&A戦略に向けての人財育成計画
タクソウ保険事務所 合同会社
代表者 :与那嶺 貴明
所在地 :那覇市牧志2丁目11番41号
業種 :保険業
従業員数:7人
会社概要:
損害保険・生命保険を取り扱う保険代理店で創業者の父が1996年に個人事業として事業開始。
創業時は経営難で資金繰りに追われていた時期もあったが、2012年に事業承継後、現代表を含む姉弟3人の経営体制で、新規顧客を開拓するなど経営を立て直し、売上を伸ばしている。
目標/TARGET
未来を見据えた組織強化で生き残り戦略に挑む
小規模代理店が統合する流れは、保険業法が改正された2015年に始まり、この3年ほどでその動きが加速してきました。自分たちは、この会社を残したいという想いがあり、生き残り戦略として、後継者不足に悩む小規模代理店をM&Aをすることにより、事業規模の拡大を目指すことにしました。
組織を強化しながら「自動車整備工場」や「レンタカー事業」など、関連する事業への多角化を図ることで、売上を拡大させて「稼ぐ」企業へと成長するための、基盤を築きたいと考えています。
組織が大きくなると、新しいメンバーの受入体制を整える必要があります。経営者が組織づくりにとコミットし、人事評価制度の構築や運用に取り組み、社員のエンゲージメントの向上や人材の定着を図ることが目標です。
研修/CHALLENGE
見える化で組織力を強化|ビジョンを明確にM&Aに挑む
業務を洗い出し、理想とする業務フローを作りました。業務内容が見えたところで、組織に不足している部分も見えてきました。その足りない部分の穴埋めをする人材を採用するためのスキルを学びました。
営業では、営業帳票を活用してスキル向上を目指します。日々の細かな業務の進捗を確認することや、ミーティングで各自の状況を互いに把握することで、それぞれの目標が明確になります。
M&A戦略では、統合した個人代理店主とトラブルにならないように、企業としての想いや理念を明確に伝えることや、代理店が独自で確立してきたスキルを生かしてもらうための業務分担の提案、M&Aと人材採用の両方に不可欠な給与面を明確にする人事評価制度や、報酬制度を定めるための研修を行いました。
主な研修内容
- 人事評価制度の構築と運用研修
- 業務棚卸し・分業化、社員教育の体制整備
- 管理職育成研修
- 適切な人材の採用のためのスキル向上研修
成果/ACHIEVEMENT
強い組織を実現するために理想の業務フローを実現
業務の洗い出しを行うことで、話し合いを重ね、最適な役割分担に落とし込むことができました。見えてきた業務の穴を埋めるために必要な人材採用では、必要な人材の年齢、性別、性格、ペルソナを設定して、適切な人材の採用につなげます
営業スキルでは、毎月の売り上げには波がありますが、個々の行動が見えることで、先の予測ができるようになりました。そこで、チームワークもよくなり、風通しが良くなった気がします。
研修の直前にできたマニュアルと管理帳票を活用しながら営業全体のスキルアップを図ります。
M&Aで想定されるトラブルについて学びました。組織を大きくすることで、これまで全ての業務を一人で担っていた個人経営の代理店の方にも、組織の一員として力を発揮してもらえる環境を整えます。それがM&Aのメリットだと考えます。
築いた信頼関係で時代のニーズに応える
経営者コメント
業務の見える化で、互いの信頼とベクトルがそろったと実感しています。次のステージでは、売り上げの状況を見ながら、顧客分析を行う経営企画室の新設を目指します。
会社のビジョンに、顧客数一万人を掲げています。その先には、事業の多角化があります。さらに、保険が不要な時代が来ても、一万人の顧客との信頼関係があれば、時代のニーズに合わせた新たなサービスを展開できると考えています。
代表社員 与那嶺 貴明 氏
専門家コメント
株式会社 TRAYD INNOVATION 迫 奈津美 氏
今回の研修期間では、役員及び経営幹部候補社員とともに「目標管理方法の改善」から「人事評価制度」「組織編成」「採用戦略」の立案、改善など幅広く組織力強化のために必要な課題に取り組みました。
全てにおいて経営理念・ビジョンを軸に一貫した見直しを行うことができ、幹部全員で今後の拡大に向けた準備を整えることができたと思います。研修を通して、経営上重要な軸を再認識でき、コミュニケーションの質、実行スピード、PDCAの質においてそれぞれの成長が見られたと感じています。