株式会社角萬漆器
育成テーマ
新市場展開や販路拡大に向けた人材育成

株式会社角萬漆器
https://kakuman.jp
代表者 :嘉手納 豪
所在地 :那覇市首里山川町 1-54-1
業種 :製造・小売業
従業員数:9人(令和8年1月現在)
会社概要:
創業120余年、沖縄の伝統工芸である琉球漆器を社内にて製造、仕上げの塗りから加飾まで一貫した生産体制をとり、おもに自店舗やECサイトで販売。近年では「器が主語のカフェ」を併設し、漆器を楽しむ空間をデザインしている。
課題
伝統工芸を支える仕組みづくりへの挑戦
沖縄県産業振興公社が実施していた企業向けセッションへの参加が、人材育成に本格的に向き合うきっかけとなりました。R6年度にはリデプロのワークショップ型集合研修を受講し、外部講師からの助言を受ける中で、売上を上げたいという想いは社内で共有されていたものの、「どう実現するか」という具体的な道筋や仕組みが社内にないことが浮き彫りになりました。
営業や生産も属人的で経験に頼る運営が続いていたため、公社で得た学びを一過性のものにせず、売上向上につながる仕組みを整え、組織として次のステージへ踏み出すことを決断しました。
研修
全社員で挑む、営業と生産をつなぐ実践型研修
研修では一部の担当者だけでなく「全員で取り組むこと」を重視し、全社員で全10回の研修を実施しました。市場分析や商品カテゴリー整理、SNS 活用、原価設計の見直しなど実務に直結する内容に取り組む中で、特に力を入れたのが営業計画と生産計画を連動させる仕組みづくりです。
顧客リストの整理や担当者の明確化、過去の販売実績をもとにした逆算型の営業計画が社内に根付き始め、生産工程を細かく分解し数値化することで「いつ、何を、どれくらい作るか」を全員が共有できるようになりました。研修は対面とオンラインを組み合わせ、毎回課題共有と意見交換を重ね、学びを確実に現場へ落とし込みました。


R7年度研修内容
- マーケティング手法を学ぶ人材育成(市場分析、内部リソースの棚卸し、商品カテゴリー整理、販売チャンネルごとの営業戦略案、デジタルプロモーション、原価設計の見直しと更新、商品企画等)
成果
見える化が生んだ現場の変化
営業・生産計画が可視化されたことで、業務の優先順位が明確になりイベント月で売上1.4 倍に。生産計画表という”共通言語”が生まれたことで意思疎通がスムーズになり、接点の少なかった営業・製造部門が互いの業務を理解し合い、連携が強化されています。
また、研修を通じて原材料確保という将来課題も顕在化。使用する「シタマギ(エゴノキ)」の調達が難しくなる中、森林組合や行政機関への訪問を重ね、北部森林組合との連携により木材確保の第一歩を踏み出すなど、サプライチェーンの再構築へと具体的な行動を開始。
課題を「先送りせず行動する組織」へと変化しつつあります。
今後の展望
琉球漆器×人で未来を描く
職人の技と経営の視点が一体となり、先を見据えて主体的に動ける組織を目指します。研修で構築した営業・生産の仕組みを磨き上げ、データに基づく判断を日常業務に定着させていきます。
また「琉球漆器×X」の発想で、カフェやワークショップ、イベントなど体験を通じた価値発信を強化し、伝統を守りながら現代の暮らしに寄り添い進化し続ける企業を目指します。
■人材育成をご検討している事業者へメッセージ
人材育成は大企業だけのものではありません。小規模企業こそ仕組みを学ぶことで大きく前進できます。自社の課題に向き合い、一歩踏み出したい企業にとって、リデプロは確かな後押しとなる事業だと思います。

代表取締役 嘉手納 豪
専門家コメント
(有)セメントプロデュースデザイン 代表取締役
クリエイティブディレクター 金谷 勉氏
事業全体の方向性を再設定するところからはじめました。商品ごとの生産体制や製造プロセスを見直し、販売するチャネルごとに展開する商品を決めました。その結果、事業全体のサプライチェーンを再構築できました。

